深海の悪霊と量子の猫──Cluebox誕生の物語
「デイヴィ・ジョーンズの監獄」と「シュレディンガーの猫」。
Clueboxシリーズ、第1弾はこの二つが謎解きパズル Cluebox のテーマとして命を吹き込まれています。
今回はそれぞれのストーリー、そしてClueboxがどのように誕生したのかをご紹介します。
デイヴィ・ジョーンズの監獄
昔々、船乗りに最も恐れられていた深海の悪霊、デイヴィ・ジョーンズ。
諸説ありますが、旧約聖書に出てくる予言者ヨナがデイヴィ・ジョーンズであるという説が有力です。
神に反したヨナは海に捨てられ、魚に飲み込まれて死に、海底で悪霊となりました。
それ以来、溺れた船乗りはデイヴィ・ジョーンズによって海底にある監獄に閉じ込められると船乗りたちに信じられてきました。
英語ではDavy Jones' Lockerと言われ、沈没船や溺死した船乗りを意味する慣用句としても使われています。
『パイレーツ・オブ・カリビアン』や『タンタンの冒険』などの様々な本や映画にも登場するデイヴィ・ジョーンズ。
あなたの手で彼の複雑な監獄の鍵を解いて、船乗りの亡霊を救い出せるでしょうか?
シュレディンガーの猫
1935年、オーストリアの物理学者であるエルヴィン・シュレディンガーが行った思考実験、それがシュレディンガーの猫です。
シュレディンガーは喉が渇いた猫をラジウム、放射線の検出器、ハンマー、瓶に入った青酸と一緒に一つの箱の中に閉じ込めました。ラジウムが放射能検出機に検出される確率を約50%に設定し、もし放射能が検出されたら、ハンマーが青酸の入った瓶を割るようになっており、喉が渇いた猫はそれを舐めて死んでしまいます。
しかし密封された箱の中で猫が死んでいるか生きているかは箱を開けるまで確認できません。放射能が検出される可能性が50%なので、猫が生きている、または死んでいる可能性も50%ずつです。この状態を、シュレディンガーは『生きている状態と死んでいる状態が重なっている状態』と説明しました。
一見、何を言っているんだ?となりますが、彼の説明に矛盾点は無いのです。
観測されるまでは、死んでいるかの事実も確かめようが無いのです。
つまり、観測者はあなたです。是非シュレディンガーの箱を開けて猫が生きているのか、死んでいるのか確かめてください!
Cluebox誕生秘話
こうした神話や思考実験の世界観を、実際に“手に取れる謎解き体験”に落とし込んだのがClueboxです。
数々の名作ゲームを生み出してきたクリエイティブな開発チームでさえ、Clueboxのデザインには8か月を要しました。
試作と改良を重ね、連動装置や仕掛けを一つひとつ見直した結果、いま私たちが手にしている完成度の高いモデルが誕生したのです。
特に「デイヴィ・ジョーンズの監獄」は、デザイン面でも製造面でも最も複雑で、彼らの最高傑作と呼べる仕上がりです。
さすがドイツ!バイヤー目線のポイント
バイヤーの個人的推しポイントは、Clueboxがプラスチックフリーなところです。
ほとんどの木製品はウレタンでコーティングされておりますが、Clueboxは昔ながらのオイルコーティングで木ならではの手触りを残しています。
また、外箱も、覗き窓はプラスチックのフィルムは貼られていなく、切り抜かれているだけになります。
さすが環境先進国ドイツの商品だなと感心させられます。
物語を手に取る体験へ
Clueboxは単なるパズルではありません。
伝説と物理学、歴史と哲学──人類が紡いできた“物語”を、あなた自身の手で体験できる小さな冒険です。
「デイヴィ・ジョーンズの監獄」では海底の悪霊を解き放ち、
「シュレディンガーの猫」では量子の箱を開き、
物語と謎が交差する瞬間を味わってみませんか?